坊建設会社B社長

B社長は、建設会社を創業して40年以上。
現役のオーナー経営者として、会社を引っ張っています。
当初はサラリーマンだった長男は数年前に会社に入り、後継者になるべく日々仕事に励んでいるようです。

そんな折、B社長はそろそろ事業承継対策を検討しなければと思い、 顧問の税理士に相談したそうです。

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しかし、顧問税理士から言われた言葉は思いがけないものでした。

「私は相続のことは余り詳しくないので・・・。」

※税理士という肩書きを持っていても、得意分野はさまざまです。税務業務は幅が広いため、全てを完璧にカバーできる税理士はそう多くはありません。特に相続は頻繁に発生するものではなく、ほとんどの個人税理士事務所では、数年に1回あるかないかなのです。そのため、税務のプロである税理士でも、専門に行っていなければ相続税の申告は非常に難しい案件なのです。

どうすればいいものか、困ったB社長が取引銀行にその悩みを打ち明けたところ、当事務所を紹介され、相談に訪れました。

B社長

「今までがむしゃらに頑張って経営してきましたが、そろそろ長男に経営を継がせる準備をしなければと思いまして…」

前島税理士

「そうですね。事業承継の準備は少しでも早いほうがいいです。
ポイントになるのは、次の2点です。」

最初の面談で、事業承継のポイントを2点お伝えしました。

  • 01:今現在の所有財産を時価評価し、将来お亡くなりになった場合に発生するであろう相続税額を試算すると共に、後継者である長男や他相続人の遺産分割において問題点(公平性、遺留分減殺請求などトラブルが発生する可能性)がないかどうかを検証すべき。
  • 02:財産の時価評価においては、まず第一に自社株式、第二に不動産(特に会社に賃貸している事業用不動産)の評価が大きなポイントとなる。そしてこの二つは後継者たる長男に出来るだけスムーズに財産移転させるべく検討すべき。

前島税理士

「社長に万一のことがあった場合に、経営が滞ってしまうことは避けなければなりません。特に自社株式と事業用不動産への対策は最優先です。」

B社長

「わかりました。社員を路頭に迷わすわけに行きません。今、やるべきことを教えてください。」

正式に業務依頼を受け、まずは社長個人の所有財産に関する情報を出来る限り開示して頂きました。

  • 01:各金融機関の預金通帳・取引明細書・残高証明書
  • 02:固定資産税の納税通知書
  • 03:生命保険証書・損害保険証書
  • 04:過去三期分の確定申告書(法人及び社長個人)控え
  • 05:その他 各種資料

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と同時に自社株式と不動産の評価業務に着手し、今現在の財産目録を作成すると共に、将来発生するであろう相続税額を試算しました。

その後、B社長と二度目の面談を行い、以下の通りアドバイスしました。

  • 01:将来発生するであろう相続税額を支払う原資となるべき銀行預金の残高が少々少ない。ご自身亡き後の配偶者の生活資金も考慮する必要があるので、不要資産(未使用の不動産など)の処分・現金化を検討すべき。
  • 02:生命保険の契約内容が重複しているもの、保障内容が不足しているものがあるので、全ての契約を今一度見直すべき。
  • 03:自社株式と事業用不動産については優先的に後継者たる長男に引き渡すべきであるため、今から少しずつ生前贈与すべき。
  • 04:他の相続人についても次の通り配慮すべき。
    →(1)妻 … ご自身亡き後の生活費と生活拠点の確保
    →(2)長女と次女 …「長男ばかり優遇している」と不公平感を持たせぬよう(遺留分を侵害させぬよう)相続又は生前贈与させ得る現預金・その他財産の確保
  • 05:ご自身亡き後の死亡退職金に関する社内規定の整備
  • 06:会社が銀行から融資を受けており、社長がその連帯保証人になっているため、社長亡き後は長男のみ連帯保証人として他の相続人(妻・長女・次女)は保証人の地位を引き継がないよう銀行と今のうちから話し合っておくべき。

※オーナー経営者の相続で気をつけねばならないのが、自社株式の取り扱いです。相続人に株式を分散させると、後継者の経営基盤が危うくなる事態も想定されますので、後継者には十分な株式を相続させましょう。その際、他の相続人に不公平感を持たせないための配慮は欠かせません。

アドバイスを受けたB社長は、さっそく取引銀行との打合せ、生命保険の見直し、不要不動産の売却検討などに奔走すると同時に、長男に自社株式などの早期移転をするにあたってのタックスプランニングを検討し、毎年少しずつ生前贈与することにしました。

自社株式の時価評価も毎年行うこととし、その後も当事務所にて事業承継対策をフォローしています。

※オーナー経営者の事業承継の場合、様々な問題が絡みます。単なる相続だけでなく、自社株評価、生前贈与のタックスプランニング、生命保険など幅広い財産プランニングも必要となります。早い段階でご相談されることをオススメします。

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